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ねじに使われる主な材料

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・はじめに

鉄のねじといっても、鉄の純度100%で作られているわけではありません。

よく食べるケーキなども、小麦粉100%ではなく、中には色々な卵だったり、砂糖だったり、バターなどを使って作られているように、色々な成分が入って作られています。

今回は、そのよく使われる成分についてご紹介します。

あらわし方は元素記号(げんそきごう)であらわします。

元素、あるいは原子を表記するために用いられる記号のことです。

例 C(元素記号) 炭素(元素名) Carbon カーボン(英語名)になります。

 

・C  炭素   Carbon カーボン

炭素-炭素結合で有機物の基本骨格をつくり、全ての生物の構成材料となる。

二酸化炭素だったり、シャープペンシルの芯だったり、炭だったり天然ダイヤモンドだったり、カーボンファイバーなど、ガソリンの主成分だったり、様々な化合物の形で豊富に存在している。

鉄鋼用途で硬くするために添加される、含有量が高いほど鋼は硬くなるがもろくなる。

 

・Mn  マンガン manganese

日本語カタカナ表記での名称のマンガンは ドイツ語: Mangan をカタカナに変換したもの。

二酸化マンガンを触媒とする過酸化水素の水と酸素への分解反応は、日本の義務教育課程で触媒の実験の題材とされるため非常に有名である。

一番有名な用途は、二酸化マンガンがマンガン乾電池やアルカリ乾電池のマイナス極に使われたり、

鉄鋼用途で耐磨耗性、耐食性、靭性を付加する為に添加される。

 

・P  燐(リン) Phosphorus

安定でほぼ無毒である。 生体内では、遺伝情報の要である DNA などの、生体エネルギー代謝に欠かせない 物質である。食品添加物としてコーラなどにも少量添加されている。

そのほかの用途としては、化学肥料の原料として使われるものが最も大きい。

化合物でリン酸の関連化合物の用途については、農薬や殺虫剤としての利用も多く、化学兵器として研究されるほど強力な毒性を持った製品も開発されたが、その多くは使用が中止されている。現在はリン酸エステル系の殺虫剤が主力になっている。

鉄鋼用途では、鉄がもろくなってしまう不純物、取り除く処理をして入るがどうしても多少残ってしまう。

遅れ破壊を誘発したり、低温で使用する際にもろくする性質 がある。

 

・S 硫黄(いおう) Sulfur サルファ

硫黄から製造される硫酸は化学工業上、最も重要な酸である。一般的に酸として用いられるのは希硫酸、脱水剤や乾燥剤に用いられるのは濃硫酸である。

合成繊維、医薬品や農薬、重要な原料であり 硫化物や各種の化合物が構成されている。農家における干し柿、干しイチジクなどの漂白剤には、硫黄を燃やして得る二酸化硫黄が用いられる(燻蒸して行われる)。

鉄鋼用途では、鉄がもろくなってしまう不純物、取り除く処理をして入るがどうしても多少残ってしまう。

鉄鋼材料を高温で使用する際に、もろくする性質(熱間ぜい性)がある。

ただし、切削加工の容易さを向上させる働きがあるため、0.3%位まで添加した快削鋼が例外としてある。

 

・Si ケイ素 Silicon シリコン

ケイ素は、レンズや窓ガラスやガラスのコップの素材に用いられたり、携帯や、液晶、ソーラーパネルなどの半導体にシリコンの化合物が使われている。

鉄鋼用途では燐や硫黄などの不純物を取り除く働きがある。

しかしケイ素を添加しすぎると鋼が割れやすくなる物質。

 

 ・Ni ニッケル nickel ニッケル

ニッケルは銀白色の光沢ある金属であり乾燥した空気中ではさびにくい。

光沢があり耐食性が高いためめっきに用いられるほか、ステンレス鋼や硬貨の原料などにも使用される。日本で2010年現在発行されている50円硬貨や100円硬貨は銅とニッケルの合金(白銅)である。

鉄鋼用途では耐食性を向上させる働きがある。

 

・Cr  クロム chromium クロム

クロムは銀白色の金属で 表面はすぐさま酸化皮膜に覆われ さびにくく、鉄のめっきによく用いられる(クロムめっき)。 金属としての利用は、光沢があること、固いこと、耐食性があることを利用するクロムめっきとしての用途が大きい。

3価のクロムは人体の必須栄養素であるが、6価のクロム化合物(六価クロム)は極めて毒性が高い。

鉄鋼用途では鉄とニッケルと10.5%以上のクロムを含む合金はステンレス鋼と呼ぶ。

 

・Mo モリブデン molybdenum モリブデン

銀白色の硬い金属 でモリブデンは、人体(生体)にとって必須元素で、尿酸の生成、造血作用、体内の銅の排泄などに関わる。 また、植物にとっても必須元素であるため、モリブデン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩の形で、肥料として販売されている。

鉄鋼用途では焼きの入る深さ(焼入性)を増加させ、高温における結晶粒の粗大化を防ぎ、高温引張り強さも上昇させる

 

・N 窒素(ちっそ) nitrogen ナイトロジェン

窒素 空気の約78.08%を占めるほか、アミノ酸をはじめとする多くの生体物質中に含まれており、すべての生物にとって必須の元素である。

鉄鋼用途では強度を上げる ために窒素化合物を添加する。

 

 

●これで読める材料の主成分

 

SUS304の成分、組成(単位:%)

材料記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo N その他
SUS304 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 8.00~10.50 18.00~20.00

 

 

SUS316の成分、組成(単位:%)

材料記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo N その他
SUS316 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 10.00
~14.00
16.00
~18.00
2.00
~3.00

 

SCM435の成分(単位:%)

材料記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo
SCM435 0.33
~0.38
0.15
~0.35
0.60
~0.90
0.030以下 0.030以下 0.25以下 0.90
~1.20
0.15
~0.30
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